民法特例の適用
事業承継税制と
民法特例のダブル適用
事業承継税制と、事例の少ない民法特例を両方とも活用することで、ほかの相続人との遺留分侵害の争いを未然に防ぎます。
CASE STUDY 実際の事例
D社は生活必需品の販売を行う小売業者です。地域に信頼される経営スタイルにより、今後も業績は安定して高水準を維持できると見込まれます。今回は先代経営者の退任を機に、後継者が株式を承継することに決まったものの、株価が高く承継資金が問題に。さらに後継者は4人兄弟であるため、遺留分侵害のリスクもありました。
SOLUTION 当事務所による解決
まずは先代経営者が退任するにあたって、株価シミュレーションを実施。並行して会社のキャッシュフロー、後継者以外の兄弟に残すための金額を総合的に勘案して、退職金の支給額を定めました。そのうえで退職金を支給し、一時的に株価が引き下がったタイミングで株の贈与を行い、事業承継税制を適用。
さらに、遺留分に関する民法の特例(民法特例)の適用を同時に行ったことで、贈与された株式の評価額が将来の相続時の遺留分算定の基礎財産から除かれることに。これにより、後継者は将来の相続発生時にほかの相続人(兄弟)から遺留分侵害額請求を受けるリスクがなくなり、安心して経営に専念できるようになりました。
POINT
ここが
ポイント
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事業承継にあたっては、先代経営者の個人財産にも着目し、税制だけではなく民法まで含めて細かく検討することが必要です。しかし、民法特例の適用件数は事業承継税制の適用件数よりもさらに少なく、安心して相談できる専門家はごく少数。総合的な提案が必要な方は、ぜひ当事務所へお問い合わせください。なお、相続人間で争いが生じる恐れがある場合には、中小企業庁で本制度の担当経験がある弁護士との協働により対応いたします。